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観音

聖観音

 真言:オン・アロリキャ・ソワカ

 密号:本浄金剛

 観音菩薩(かんのんぼさつ)は、六観音の一にして、一切衆生の苦を能く聞き、能く観じて救済をおこないます。また、一切を観察することが自在であることから、観自在菩薩とも称します。

 その本誓は、本性清浄ながら苦しみの中にある一切衆生を、大悲をもって救済するために、あらゆるところに姿を変えて現れます。

 容姿は様々ですが、左手に凡夫の心を表わす未開敷蓮華を持ち、右手は施願印を示しています。また、仏の心を表わす開敷蓮華を持つ場合もあります。頭頂には阿弥陀如来を頂く姿が観音菩薩の特徴です。

 六観音の中では、他の観音と区別するため、聖観音と呼ばれています。また、六道の衆生済度として、地獄道の救済にあたります。

千手観音

 真言:オン・バザラ・タラマ・キリク

 密号:大悲金剛

 千手観音は、六観音の一にして、千手千臂観音や千手千眼観音とも称し、蓮華部の中でもその悲観が最も偉大なため、蓮華王とも称します。

 その本誓は、千手千眼をもって、一切衆生のあらゆる願望を成就しようとするものであり、特に悪死をまぬがれ、善生を得られることを、その功徳としています。

 容姿は千手を持つもの以外には、二手の合掌、二手の定印に加え、四十手に印や持物をとり、四十二手が基本となりますが、千手を具える遺例もあります。

 六観音の中でも、中国や日本において、独自の信仰を確立した変化観音です。また、六道の衆生済度として、餓鬼道の救済にあたります。

馬頭観音

 真言:オン・アミリト・ドハンバ・ウンハッタ

 密号:噉食金剛

 馬頭観音は、六観音の一にして、観音でありながら忿怒相をとります。これにより馬頭明王とも称し、蓮華部の教令輪身となります。

 その本誓は、餓えた馬が一心に草を食べるように、その大悲をもって、すべての衆生の救済に一心にあたり、無明煩悩を食べつくすことです。

 容姿は、三面三目の忿怒形にして、頭上に馬頭を載せます。左右の第一手は馬頭印を結び、第二手は宝輪と宝斧、第三手は宝棒と宝剣、第四手は念珠と施無畏印をとります。

 日本では馬などの家畜の無事や交通の安全を祈願し、その供養の本尊となりました。また、六道の衆生済度として、畜生道の救済にあたります。

十一面観音

 真言:オン・ロケイ・ジンバラ・キリク

 密号:變異金剛

 十一面観音は、六観音の一にして、十一億諸仏の説く神呪(呪術的な力)の功徳を有し、衆生の救済をし尽すという、広大な威力を備えています。

 その本誓は、十一面の呪力をもって、数々の変異を体現し、現世利益を得さしめ、衆生の十一品の無明を断じ、十一地の仏果を証するというものです。

 容姿は、菩薩面三面、瞋怒面三面、利牙出現面三面、暴悪大笑面一面、阿弥陀如来一面の十一面に、左右の第一手は念珠と蓮華、第二手は施無畏印と軍持をとります。

 日本では古くから信仰を集め、その呪力と相まって、変化観音の代表として、数多くの遺例を持っています。また、六道の衆生済度として、修羅道の救済にあたります。

准胝観音

 真言:オン・キャマレイ・ビマレイ・ソンデイ・ソワカ

 密号:最勝金剛

 准胝観音(じゅんでいかんのん)は、六観音の一にして、准胝仏母や七俱胝仏母とも称し、過去無量の諸仏の母として、心の清浄を得られる清浄陀羅尼を司っています。

 その本誓は、蓮華部の仏母として、一切衆生の菩提の芽を生じさせ、その菩提を成就させることです。また、求児法の本尊としても高名です。

 容姿は、三目十八臂が基本的な形で、左右の第一手、第二手にて説法の印相をとり、その他で軍持、蓮華、宝輪、梵筐などを持っています。

 元来は観音では無いが、日本では、聖宝理源大師によって大いに信仰され、真言宗では六観音の一に数えられるようになりました。また、六道の衆生済度として、人間道の救済にあたります。

如意輪観音

 真言:オン・ハンドマ・シンダマニ・ジンバラ・ウン

 密号:持寶金剛

 如意輪観音(にょいりんかんのん)は、六観音の一にして、如意とは福徳の如意宝珠、輪とは智徳の宝輪を示し、宝輪を転じて宝珠を受苦の衆生に施すとされています。

 その本誓は、観音菩薩が宝部の三昧に住して、六道の有情の苦を抜き、福智の楽を与えることであり、世出世間の諸々の願いを成就させることです。

 容姿は、六臂にして右膝を立てる姿が一般的であり、左右の第一手は光明山を按じ、思惟の手をとり、第二手は蓮華と宝珠を持ち、第三手は宝輪と念珠を持っています。

 如意輪観音は、密教の修法の基礎となる四度加行の中の十八道の本尊として、その独特な容姿と共に、広く知られています。また、六道の衆生済度として、天道の救済にあたります。

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