仏様を考える その10
阿弥陀如来の梵名には、「アミターバ」と「アミターユス」があり、漢音を充てて阿弥陀となっています。「アミターバ」とは「無量の光」を意味していて、尽きることのない光を照らして、すべての衆生を救うことを意味しています。 また、「アミターユス」とは「無量の寿命」を意味していて、阿弥...
仏様を考える その9
日本という国土に限定した場合、如来の中で最も広まりを見せ、各所で信仰を集めているのが、阿弥陀如来です。 阿弥陀如来は、無量の寿命を司る無量寿如来や、無量の光を放つ無量光如来とも称し、元は法蔵菩薩として修行を重ね、四十八の誓願をなし遂げて成仏し、西方極楽浄土を仏国土となす如来...
仏様を考える その8
真言宗では光明真言(こうみょうしんごん)という真言を非常に大切にしています。この光明真言を唱えることで、一切衆生を菩提の大道に導き、現世利益として福徳長寿が得られ、過去の諸々の罪障を滅除し、無明煩悩を転じて浄土に変えるという無辺の功徳が得られるというものです。...
仏様を考える その7
金剛界曼荼羅の大日如来は、真言宗における両部の大経の「金剛頂経」に説かれる教主であり、差異を分別する智慧である智差別門の金剛界曼荼羅の主尊です。 容姿は身白色にして、五智の宝冠を戴き、髪を両肩に垂らし、瓔珞、環釧、天衣を身に着けています。智拳印を結び、蓮華座の上に結跏趺坐し...
仏様を考える その6
真言宗の教主である大日如来は、『華厳経』の教主である毘盧舎那(びるしゃな)仏が、更に理論的に発展を遂げたと考えられる如来です。毘盧舎那仏と言えば、奈良の東大寺大仏が有名です。「光明遍照」を意味する毘盧遮那に、「偉大な」を意味する魔訶(まか)を加え、魔訶毘盧遮那仏、つまり大日...
仏様を考える その5
釈迦如来(釈尊)は、日本の仏教における様々な行事において、本尊として奉られます。旧暦の四月八日には、釈尊の誕生を祝う誕生会(灌仏会)が行われています。七歩歩んで天地を指さした「天上天下唯我独尊」の釈尊像を用い、甘茶を誕生の際に降り注いだ香水に見立てて頭頂から注ぎます。桜の季...
仏様を考える その4
仏教の源流は、紀元前5世紀の北インドに実在した釈尊に他なりません。前述の通り、この段階における仏とは、唯一釈尊のことを指していました。しかし、その後に多様な仏が表現されてくる中で、釈尊は釈迦如来として、いわゆる八万四千の仏の一つとなりました。...
仏様を考える その3
前述の如来以外にも、多種多様な仏、如来が存在しますが、現在の日本においては一般的な信仰はされておらず、実際はあまり知られていません。 例えば釈尊を含めて過去にさかのぼると、七仏という仏がさとりに到達していましたが、これは釈尊在世の時点で既に信仰されていたもので、仏教の時間的...
仏様を考える その2
一般的に尊格としての仏という場合は、狭義では如来のことを示しています。梵語では「タタギャタ」と表わし、「如実の道に乗じて来り正覚を成ずる」ものを如来と称します。 さとりに到達したものが如来であることから、当然のことながら、仏教の各宗派の主尊となります。具体的には、大日如来、...
仏様を考える その1
一言で仏様と言っても、そのイメージされるものは様々です。しかし、大きく分けてみると、亡くなられたご先祖様などを指す場合と、釈尊を始めとする仏教の偶像崇拝の対象を指す場合があります。 日本人にとっては、前者の仏様のイメージの方が強いかもしれません。しかし、当然のことですが、仏...