仏様を考える その3
前述の如来以外にも、多種多様な仏、如来が存在しますが、現在の日本においては一般的な信仰はされておらず、実際はあまり知られていません。
例えば釈尊を含めて過去にさかのぼると、七仏という仏がさとりに到達していましたが、これは釈尊在世の時点で既に信仰されていたもので、仏教の時間的な広がりの一端を示すものです。
ちなみに、毘婆尸(びばし)仏、尸棄(しき)仏、毘舎浮(びしゃふ)仏、倶留孫(くるそん)仏、倶那含牟尼(くなごんむに)仏、迦葉(かしょう)仏、釈迦仏を過去七仏と称します。
また、燃燈(ねんとう)仏(定光仏)は、釈尊が前世にて修行中に、来世における成仏の授記(予言して確証をあたえること)を与えた重要な仏です。
一方、大乗経典の王者と呼ばれる『法華経』には、釈尊の説法を称賛し、『法華経』の正統性を保証する多宝仏が登場します。
密教の如来としては、金剛界曼荼羅の阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来(釈迦如来と同体)と、大悲胎蔵生曼荼羅の宝幢如来、開敷華王如来、無量寿如来、天鼓雷音如来が四仏とされています。
いずれの仏、如来もさとりに到達したものであり、大いなる意義をもった存在であることは、言うまでもありません。