仏様を考える その4
仏教の源流は、紀元前5世紀の北インドに実在した釈尊に他なりません。前述の通り、この段階における仏とは、唯一釈尊のことを指していました。しかし、その後に多様な仏が表現されてくる中で、釈尊は釈迦如来として、いわゆる八万四千の仏の一つとなりました。
釈迦如来は、金剛界曼荼羅の不空成就如来、大悲胎蔵生曼荼羅の天鼓雷音如来と同体とされ、仏教の開祖である釈迦はこの応化身です。
その本誓は、為すべきことを成就する智慧である成所作智を持ち、説法の三昧にあることから、一切衆生の煩悩を滅し、一切の法を自在に得させ、涅槃寂静の菩提へと導くというものです。
容姿は様々ですが、赤黒色の袈裟を着け、転法輪印や施無畏印、与願印などをとり、蓮華座の上に結跏趺坐した姿が一般的なものです。また、釈迦の生涯を表わした釈迦八相をとる姿もあります。
インドの釈迦族の王子として生まれ、出家、苦行の後に菩提樹の下で成道し、転法輪の生涯を重ね、沙羅双樹の下で入涅槃されました。実在の釈尊と釈迦如来とは、厳密には区別されますが、歴史上の仏教の開祖として、宗派を超えて報恩を集めています。
真言:ノウマク・サマンダ・ボダナン・バク
密号:寂静金剛