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仏様を考える その2


 一般的に尊格としての仏という場合は、狭義では如来のことを示しています。梵語では「タタギャタ」と表わし、「如実の道に乗じて来り正覚を成ずる」ものを如来と称します。

 さとりに到達したものが如来であることから、当然のことながら、仏教の各宗派の主尊となります。具体的には、大日如来、釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、阿閦如来などが高名な如来になります。

 釈尊が歴史上の人物として実際に教えを説いていた頃や、その威光に親しんでいた段階では、仏とは主に釈尊のことを指していました。

 しかし、仏教の思想的な整理と拡大により、過去、現在、未来の三世に各千仏が存在し、それぞれの理想とする仏国土を形成して、その世界の教化にあたるという考え方が整備されてきました。

 先ほど列挙した如来の仏国土としては、大日如来の密厳国土、釈迦如来の無勝荘厳国、阿弥陀如来の極楽浄土、薬師如来の瑠璃光世界、阿閦如来の妙喜国などがあります。

 いずれも如来の誓願と修行の成果により開かれた理想とすべき世界であり、まさに仏教を信じる者が目指すべき世界ということになります。


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